[デザイナー・職人を訪ねて 01]
『虎空檀』に込めた想い

まなかの商品は、想いに共感してくれるデザイナーや職人の力を借りて生まれています。初回の記事では、黒檀の堂々とした佇まいを持つ位牌『虎空檀(こくうたん)』をデザインした建築家の手塚貴晴・由比ご夫妻(手塚建築研究所)のお話をまとめました。

亡くなった方の重みをその手に収めることができるお位牌『虎空檀』。

虎空檀(こくうたん)は、希少性の高い島黒檀を一本一本手作業で丁寧に削り出すことで、重厚かつどこか暖かみのある表情を持つお位牌です。華美な装飾は削ぎ落とし、故人への尊敬と魂を籠めるにふさわしい尊厳のあるデザインを追求しました。

シンプルで堂々とした佇まいは、お位牌の聖域性をより強くします。またどこか古典位牌の風合いを感じさせる姿は、どのような方にも自然に受け入れてもらえると思います。

父親の他界をきっかけに生まれたお位牌

虎空檀が生まれたきっかけは、建築家であった父・手塚義男の他界にありました。建築デザインに生涯携わってきた父親のために、デザイン性の高い位牌を探し始めたのです。

ところが丁度良いデザインのお位牌がなかなか見つかりません。伝統的な位牌は華美な装飾が多すぎて、良きデザインを終生追い求めた父親にはふさわしくないと感じました。一方、「モダン位牌」と言われるような現代のデザイナーが手がけた作品は、形が凝りすぎているなど、なんだか落ち着きがありません。考えあぐねた挙句、まなかさんとの出会いもあり、自らデザインすることにしました。

大切な方の魂にふさわしい入れ物を。

位牌は魂を籠めるためにあります。そのためには、魂に相応しい尊厳を備えていなければいけません。

虎空檀の素材選びにはとても苦労しましたが、最終的に希少性の高い「島黒檀」にたどり着きました。黒檀は水に沈む程に重く、時と共に重厚さが加わり尊厳を増します。無垢のその姿には、塗装では決して得ることのない奥行きが漂っています。

手に取ると適度に重く、それでいて木のやさしい手触りが親しみやすさもあり、魂の大切さを感じられます。

建築家である私たちが持つ木材の知見やデザインへの想いがあったからこそ、辿り着いたかたちだと思っています。

「偲ぶ」とは、故人の思い出を末長く温め続けること

虎空檀は、台座から外して、手に取り温めることができるように作りました。角を取り、ほどよい丸みを帯びた無垢の黒檀は、人肌になじみ、ふれればふれるほど親しみが増していきます。

また、専用の箱やちりめん袋も備えることで、お仏壇を出て、家族の一員として今までと変わらぬ日常をともにすることができるようにとデザインしました。例えば、故人との思い出を求め、故人の魂が篭った虎空檀を懐に、旅を共にすることもできます。

そうやって故人と向き合い思い出を温め続けることが、故人の供養と心の安らぎにつながっていくのではないでしょうか。

新しいながらも、誰もが親しみやすいデザインを目指して。

私たちは、ありそうでなかった当たり前のこと、新しいながらも誰もが親しみを持って迎えられるデザインを目指しています。また、良きデザインは形を超えて、人々や社会を変える力を持っていると信じています。

虎空檀は、今までにはなかったお位牌の形ですが、大切な方の魂の入れ物としてあらゆる方も受け入れてもらえる形になっていると思います。人を偲ぶことが少し遠くなってしまった現代を、虎空檀の持つ力で少しでも変えられることを願っています。

手塚貴晴+手塚由比
(建築家/手塚建築研究所)
グッドデザイン金賞(2回)、日本建築学会賞、日本建築家協会賞、 世界環境建築賞(ユネスコ)など国内外で多数受賞。活動はNHKドキュメンタリー『プロフェッショナル』などで広く紹介されている。『勝林寺本堂納骨堂(巣鴨)』では、曼荼羅の空間を模した永久墓を設計。一柱一柱が燈明に照らされた幻想的な空間を作り上げている。

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