#6 山荘 無量塔 テオムラタの「茶葉ショコラ」

一緒に食べた思い出の味、旅先で見つけた小粋なお菓子。
今日はおいしいお供えとともに、お仏壇に手を合わせませんか

お茶のショコラ

[ 大分県 山荘 無量塔 テオムラタの「茶葉ショコラ」]

母はどんなに忙しいときでも家事に手を抜かず、いつも丁寧でした。「良いものを長く大切に使いなさい」「何事も丁寧にね」が母の教え。

服や鞄、靴なども、新しいものを買うのではなく、良いものを長く大切に使っていた母。時折、母が玄関で靴や鞄をケアしている姿を見るのが好きでした。
とくに鞄は、私が物心ついたころから大人になるまで、いつも同じものを使っていた記憶があります。

我が家にとって、1年で最大のイベントといえば年に1回の家族旅行でした。
宿を決めるのはいつも母。普段は贅沢をしない母でしたが、家族旅行の宿はいつも少し背伸びした場所を選んでいました。

年に一度の家族旅行は、私が一人暮らしをはじめた大人になってからも続きました。
大人になってからは、「母がなぜこの宿を選んだのか」を考えるようになり、子どもの時とは違った楽しみ方ができるようになりました。

大人になって特に印象に残っている宿は、由布院温泉 山荘 無量塔です。
古い建築を再生した離れの客室、派手さはないものの丁寧に作られた料理。
「良いものを長く、丁寧に」という母の教えそのもののような宿で、母も私も一目で好きになりました。

帰りにお土産として「茶葉ショコラ」を買いました。
母はこのお菓子が大層気に入ったようで、旅行から帰ってからも、ときどきお取り寄せしていました。

母の影響で、私も時々、お取り寄せするようになりました。
高級な茶器のような美しい容器を開けるとお茶の香りが広がり、和紙に包まれたショコラが顔を出します。
玉露、朝露、碾茶の3種類のショコラには茶葉がそのまま入っていて、淹れたてのようなお茶の渋みと爽やかさが感じられる上品な味わい。普段食べるお菓子ではない大人のお菓子という特別感が、口いっぱいにひろがります。

今でも、母の誕生日や命日、母になにか報告したいときに、私はこのお菓子をお取り寄せします。
お供えして手を合わせたあと、いつもより丁寧にお茶を淹れます。同じお茶でも丁寧に淹れたものは味が違うようです。
香りを嗅いでこのショコラを味わうと、母の「何事も丁寧になさいね」「良いものを長く大切に使いなさい」という口癖を思い出します。

私も靴や鞄はなるべく良いものを買い、長く使うようにしています。
仕事に行くときに使う靴や鞄を玄関でケアするときは、母の優しい笑顔が浮かんで、幸せな気持ちになります。

Store information

山荘 無量塔 テオムラタ

https://murata-shop.jp/theomurata/

住所:〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上1272-175
TEL:0977-28-8686
営業時間:10:00 〜 16:00

山荘 無量塔 テオムラタ

茶葉ショコラ

https://murata-shop.jp/theomurata/

厳選したお茶の風味が楽しめる、洗練されたショコラ